儞已經死了。僕のはもう死んでいるよ。

 香川県議会に子供のネットゲームなどの時間を1時間と制限する条例が提出されるようで全国初だという。これに対し様々な場所から様々な意見が出ています。例えばeスポーツを国が推進しているのに過度な規制を行うべきではないとか、行政の家庭介入だとか、ゲーム側に立つ人からは反発が多い。規制があると子供に言い聞かせやすいという親御さんの意見も最もだが、一方、ゲーム業界やゲーマーからは依存症の根拠を示せという意見もある。そもそもこれはゲーム依存症対策の一例であるというのがポイントだ。

 しかし現実は少しずれている。東北大学加齢医学研究所の川島隆太所長は2018年仙台市の小学5年生から中学3年生、36,603人を対象にスマホ使用時間と家庭学習時間と睡眠時間がどう学力に影響を与えているのかを調査している。仙台市教育委員会との共同の大規模調査ということも付記しておく。また同時期に仙台市在住の5~18歳、224名を対象に3年間脳の発達をMRIで計測するという調査をも行った。この結果により、細かくは論文を参照していただくとより具体的に書かれているがざっくりいうとスマホ利用時間1日1時間以上とそれ以下では約10点の点数の差が出ており、確実な毒性があり、所長は「結果を見なければよかった」と感じたという。

 「2018年、この論文を学術論文の一流誌に発表し記者会見も開きました。ただ、新聞もテレビも通信事業者や通信機器メーカーから広告費をもらっているからでしょうか、見事に情報封鎖され全く取り上げてくれなかった。子どもたちの未来よりもお金を優先する資本主義社会のなれの果てを見たような気がしました。」と月間HANADA2月号で述べている。

 なによりこの研究所、この手の論文は数年前から複数回発表している。当然世界に向けてである。そしてなにより恐ろしいのはアップルが論文発表後あたりからアップデートで利用時間を通知する機能や、iphone自体を起動できない時間帯を設定できる機能を設けたという事だ。そういえば最近、僕のスマホも「今週の一日当たりの利用時間は何分です」とか1年前くらいから通知されるようになっているではないか。将来的に「スマホが脳の発達を阻害したから、私たちは賃金の低い仕事にしか就けなかった」などと集団訴訟されるリスク回避の為に先手を打ったとみるのが正解だ。さすが世界トップクラスのグローバル企業はそれくらいの隙もないだろう(ソフトバンクは隙だらけだが、笑)。

 数が多くて重くなるのでここでは書かないが、調査結果は様々な項目で論文を参照していただきたい。まさに数多くの悲惨なデータが記載されています。これがどの程度に宮城県下で情報共有されているかは解らないが急に県別成績が上がり出したというのであればなんらかの対策と危機感を親と教育機関が認識したという事だろう。論文まで読まなくてもいいが宮城県の学力には注意を払っておくのも悪くないだろう。原因は特定できてはいない。余談だがマルチタスキング、一度にいくつものタスクをこなせる機能により集中力が低下するのではないかと考えられている(LINEが最も毒性があるとされている)が私は同意しない。いくつものアクションの同時性こそ集中力が必要と考えるからだ。ただし映画館で作品の途中で集中力が切れてスマホを使ってしまう若い人が増えているというのは僕もよく目にする。だが気が付けば僕もいじっている(笑)。

 スマホは小学生のくせにアル中になっているという例えではなくて、小学生のくせに麻薬中毒になっているといっていいと川島氏は言う。それだけ脳の育成が破壊されている。深刻なのだ。

 しかし比較的まともである読売新聞の報道も実はスマホなのにゲーム依存症対策と報じています。これを軽度の情報操作というのだが読売でさえ広告主への忖度は妨げられないのだろう。ダメだこりゃ。

 

 

おしまい