ついに円安の話か!?

法人企業統計で企業の内部留保が500兆円を超えましたっていう報道がありまして。発表したのは財務省なんですけど裏には来年の法人税は増えますよ、よろしくねっていうのがあるんです。実際4~6月も企業収益は好調で最高レベルです。内部留保が最高ってことは企業収益も最高って事なんですよ。そこで新聞記者なんかは「コロナも完ぺきに収束している訳でもなく、円安が問題になっているのに関わらず、企業収益が最高っておかしくないですか?」って質問したら面白いんですけど誰もしないんですよね。

法人企業統計の中身を見ると営業収益は良くなってます。コロナがだんだんと慣れっこになっちゃってコロナ前に戻りつつあると帳簿上見て取れます。注目すべきは経常収益がもっと伸びてるんですよね。どういうことかというと営業外収益が伸びてるって事なんです。営業収益に営業外収益を足すと経常収益になります。つまり営業外収益が伸びてるってことは業務以外で儲けてるって事でテストには出ませんがここポイントです。この営業外収益っての内訳を見てみるとほとんどの場合、利息配当です。この低金利時代に利息で儲けてるってどういうこと?ってまたもや新聞記者は質問しなくちゃいけないんですよね。しないんですけどね。

円安になると輸出は儲かって輸入は損する、合算すると全体では儲かる、というのは昔の話ですよって、今ではそうならないんですよ、何故ならば現地法人化してるからですっていうのが最近の考え方の主流になってます。だから円安はまずいんですという訳ですよ。でもね、現地化しているという事は現地に投資してるんですよね。現地で作るから当然輸出は減るんですが投資収益は増えるんです。円安によって。これが大企業の利息配当、経常利益が増えている正体です。つまりやっぱり円安の恩恵により大企業に関しては儲けてるんですよ。

一方で私たちが被害を被るっていうのはガソリンでしょ、あと代表的なのは電気代。電気代なんか当社なんか新電力と契約してるんだけど試算すると来年の1年間の電気代は50万円アップですよ。冗談じゃないよねってもんですよ。大体諸外国と比較しても例えばドイツと比べても日本の電気代は1.5~2倍です。そもそも関西電力はですね、まあ長くなるのでここでは止めときますが、あと小麦とか飼料が上がるから食肉とかね。石油製品でいえばそもそも輸入だし服なんかも上がるんじゃないですか。とまあ、生活必需品はこれから上がりそうです。コストプッシュ型インフレといいます。悪いインフレなんですが、話が逸れるのでここでは名前だけ覚えておいて下さい。

つまりですね、円安になって大企業は儲けているが一般庶民は苦しむ、でも大企業に働いている人もいっぱいいるから悪くないでしょって考えてるという疑念が湧く訳です。実際にはGDPも30兆ぐらい増えるんで全体で見ればプラスなんですが果たしてそれでいいのかは議論の余地があります。中小企業で働いている人たちの方が圧倒的なんだからその考えは不味いのではと考えるのが普通なんですが、そういう質問も新聞記者はしないんですよね。

え~、特に某日経新聞なんかの経済欄を読んでいると記事が表面的過ぎてだからなんなの?って記事ばっかりです。記者のレベルが酷くて聞いたことしか書けないから無理なんで政府や官僚はほくそ笑んでます。何が権力の番人なのか意味が解りません。情けなくてもはや笑えないレベルです。ちなみにウォールストリートジャーナルなんかたまに読みますがよく取材されています。

あ、円安ですね。その構造と需給ギャップと経済対策に話がいくまでに疲れて来たので次回に続きます。毎度のことながら、すいません。

 

 

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