積極財政と緊縮財政の違い講座 その2

日本経済が90年代後半からデフレに陥り、安くなければ売れない時代が続きます。当然だがモノを作っている社員の給料は抑えられ、それでも足りずに人件費のより安い海外へと生産は流出していった。そこに節約はあっても成長は無かったのだ。ここポイントです。失われた30年というのは経済成長なしの状況でその成長の一番ブレーキをかけた要因がデフレです。

そもそも経済成長が無ければ豊かになる訳がない。成長こそが子供たちの将来を明るくし、老後世代の暮らしを支えるのである。その為には労働生産性を倍増させるのが絶対であり、それを満たす前提条件として財政出動による教育、基礎研究、技術の革新への先行投資が避けては通れない道筋なのは当たり前の話で。論理的で常識的な話である。それをここ30年やってこなかったとは言わないが、少な過ぎた。前述のように節約してしまったのである(ケチった)。これを緊縮財政という。

ケチ臭い先行投資のおかげで将来のリターンが減るのは当たり前。リターンがあるのかどうか疑わしいだろって言いたいだろうが、損して元取れでいえば、例えば教育。子供たちに分け隔てなく高等な教育を授ければ、将来的に優秀な働き手が増え、より納税してくれるってことで元を取るといえば解りやすいだろうか。その学費は税金から充てるのではなく、教育国債を発行して充てると国民の負担はゼロなので納税者の反発は限りなくゼロだろう。ただし財務省は国債発行を嫌がるのがポイントだ。ちなみに教育への先行投資は世界的にも割のいい投資の上位であるとほぼ学術的に確定されています。

東日本大震災の際も、世界のどんな国でも税金で対応する国は一切ありません。建設国債、復興国債といっていいが国債で対応するのが普通です。しかし財務省は復興税と称し税金で賄おうとした。死んでも国債を発行したがらないのである。ちなみにこれを了承したのが当時の民主党で、訳が判っていなかった。ではなぜ国債発行を嫌うのかというと学術的な根拠はなく、なんとなくでやっていると思われる(笑)。ノーベル経済学者のベン・バーナンキもこの考え方はおかしいと言ってます。ノーベル経済学賞以上に崇高な思想とでもいうのだろうか。

また他方では社会福祉も消費税でやろうとしているのだがこれは全世界見渡してもありません。皆無といってよく普通は社会保険料で徴収する。社会福祉の為の増税にしろ、保険料UP にしろ私たちの出費は変わらないからどっちでもいいだろと思うでしょうが、それに付け込み消費税でやりたがる。これは多分ですね、保険料で取ると財務省の出番が減るからなのではないかと邪推します。お金に色はついてないので消費増税ならどさくさに紛れて他にも回せますから、利権と天下りにもつながります。これあくまで邪推なんで財務省の方は怒らないで下さいね。邪推ついでにもう少し余計なことを言っておくと、と思ったが主旨が変わるので止めとこう。

長くなって来たのでこの辺で止めておくがまとめると「積極財政」とは国債を発行して先行投資を怠らない、減税して消費を喚起し(好景気を維持し)税収を増やす。「緊縮財政」は国債を一定以上発行せずに増税で経費を賄うので経済発展しにくい、ということが言えると思います。みなさんはどちらが良いですか?貧しくても幸せならいいというのは理想論で現実的には貧しいのは辛いよで終わりの話なんですけどね。

で、国債発行を渋るのはなぜか?これは「日銀理論」というのがあってそれはまた次回に持ち越します。これが一番の癌細胞と見ています。

 

 

 

おしまい