職業体験+私のひとりごと

先週、ある高校から職業体験を受け入れさせていただきました。洗車の手伝いやショールームの装飾の手伝い、整備の見学などが主なものでしたが毎回、学生に伝えたいことをぜひって事で少し講義に似た話もさせて頂いています。それは学校では教えてくれない(自分の記憶の中では)事象についての話です。ひょっとしたら家庭でもなかなか聞かない話かもしれません。学生さんに刺さったかどうかは微妙ですけど(否、刺さってない笑)そんな話を今回もしましたよ。

ひとつ、なぜ勉強をしなければならないのか?ふたつ目はお金の使い道についてです。ここでは両方とも詳しく書いた覚えがありますのでご興味のある方はアーカイブを検索してみて下さい。厚切りジェイソンも新しい本出しましたよね。前作は70万部も売れたみたいで皆さんの関心も高いなと思います。価格平均法(ドルコスト平均法)、ここでもしましたよね。しかしよく考えてみるとちょっと待てよと。厳密に言うとちょっと違うなと気付き、現在の岸田内閣が言っている新しい資本主義(まったく意味不明な言葉!?)を絡めて書いてみようと思った次第です。

以前も書きましたがお金の使い道は3つしかありません。使うか(消費するか)、貯めるか(貯金するか)、増やすか(投資するか)です。岸田政権では新しい資本主義の骨格として貯金からお金を投資に回して下さいというのがあります。でも経済学から考えると銀行に貯金するとそのお金はどこに行くかというと企業の貸し付けに回るか、金融商品を買うかに回ります。前者は金利を取ってお金を増やす、後者は配当金や売却益によってお金を増やす、つまり銀行に預けたお金は投資に回っています。経済学の結論的には個人的に貯金したと思っていても実は大局的に見ると投資に回っているんです。そうするとよく考えてみれば貯金で銀行に預け、銀行に投資させるよりも直接皆さんが証券(株式)を買って下さいと言っているのと同義で潤うのは証券会社で銀行は冷や飯を食わされる格好になりますよね。結論としては岸田総理は証券会社の回しもんか?という疑念が残るだけじゃなのかと。

これを当人は恐らく全くご理解のないまま喋っておられる(笑)。この政権は官僚が多いですから証券会社の誰かがまんまと工作し、してやったりという事なんでしょうけど、当の岸田総理。資産公開でも全く有価証券を持ってないってこれどうよ(笑)。むちゃくちゃもいいとこだよ。

岸田総理へ。収入が増えないと投資も出来ません。訴えるのであれば先に「生産性を上げて給料を上げましょう」ってことですよ。手持ちのお金が増えれば少なくとも今までより株でも買ってみようかって人が増えるって。ほんと側近の官僚は経済音痴ばかりだなと証明するような話です。というような内容を高校生ですら知っている世の中の成熟度に早くなって欲しいと切に望みます。何故かって?それはまたいつか。

 

 

おしまい

 

投資のおはなし 番外編

パンデミックの25年前。1995年、カタリン・カリコー博士がペンシルベニア大学で「あなたの研究はお金にならないから別の研究をするか、降格かどちらかを選んで下さい」と言われ「降格して下さい」と答えた。上司である教授は信じられないという顔をし沈黙した。この行動が無かったら今回の新型コロナウイルスの猛威に人類はどう対応していただろうか?そのような決断をしてまで「人類を救うことになるかも知れない研究だから」と当時、自身に癌が発覚し夫は母国ハンガリーから出国できず米国に一人で暮らさざるをえなかったに関わらず研究を優先したカリコー博士がもしいなかったら果たして現在の今はあるのだろうか?その研究の名は「mRNA」。

この研究がスタートしたのはさらに10年も前にさかのぼる。当時、医療業界やウォール街はとてつもない研究がなされているとざわめいていた。これが実現すれば癌で死ぬことも無い世界になる可能性がある。しかしあまりの難易度の高さに数年後には絶対に不可能だと世間に見捨てられたのだ。実際、どう調節してもカリコー博士の実験室では実験用マウスの死体だけが増えていった。免疫細胞が過剰反応しその動物は最終的に死んでしまうのだ。そのカリコー博士がある日ある学術論文を読んでいて当時研究されていたmRNAの4つの成分のひとつ「ウリジン」について書かれた一説に目を輝かせた。ウリジンは免疫暴走を誘発することがある。ここからさらに研究を続けついにマウスは死ななくなった。ドリュー・ワイズマン博士の協力が無ければどうなっていたか解らないというのも付け加えておかなくてはならない。そう、コピー機の前の偶然の出会いがなければ、である。成功の陰には偶期があるものだ。

このように大学の研究室でひっそりと研究を続けてもそれが世の中に出るかどうかは様々な関門の突破が必要である。どれだけの研究者が途中頓挫したことであろうか。研究を続けるには資金が必要で資金調達は教授の大きく、かつ面倒な仕事のひとつである。特許を取り、そして製品化となると会社を設立しなければならない。会社となると学者にマネジメントは無理なのでまずは経営者を探すのが先決である。これが2005年の話である。だが科学界のmRNAの興味はもはや失われていて彼らの発見は殆ど注目されなかった。そのような企業の社長を誰が受けるというのか。火中の栗を拾うという諺が日本にはあるが、マウスにしか成功していない研究かつ、臨床実験から製品化し販売するというのは成功確率は5%以下に思えるミッションである。にもかかわらず研究の継続の為だけにも数千億円を調達してこなければならない。売上がないのに。失敗すれば八つ裂きだけでは済むはずがない。

フランスの疾患や汚染の原因特定や診断をする会社「bioMerieux」のCEOだったステファン・バンセルが妻の助言によりモデルナ社からのヘッドハンティングを受けたのが2011年である。論文発表から実に6年もの時間が過ぎたのは想像を絶する絶望の連続の克服と執念といえる。そう、モデルナ社はここから本格的に稼働したといってもいい。会社が設立してから未だ商品化したことがない会社で資金は2億円程。実際、10年間の研究で数千億円を必要とした。この研究資金を様々なところから調達してきたことでモデルナの現在がある。そんな経営者だからこそ社内体制も強烈だ。まず優秀な人間のヘッドハンティング、怠け者は解雇、時間内に結果を残さなければ解雇、社内競争は激化、疲弊し、不満続出、医療業界では例を見ないほどの離職率。そしてモデルナ社初の商品が2021年の新型コロナウイルスワクチンである。実に16年かかって初めて公に売れるものを作ったというこのワクチンは執念の結晶である。ちなみに日本におけるIPS細胞の研究も大いに影響を与えている。世界中の様々な研究があってこその完成なのである。

株式上場しても大手投資家から何回も見放され、暴落を繰り返し、絶体絶命の危機を何度も乗り越えモデルナ社の現在の時価総額は約19兆円である。ここ2年で一体何倍になったのだろう。ちなみにワクチンは年に1~2回打てば役目を終えるので飲み薬より儲からない。治験のリスクも高い。なので製薬会社は大手になるほど継続的に儲かる飲み薬の新薬に投資する。ベンチャー製薬会社の開発したものを(もちろん研究協力もするが)買うのが流行りとなる。J&Jやファイザーなどを代表に実は自社製品が少ないのだ。ちなみに日本では塩野義製薬は自社開発比率が高い会社なので成功するのかどうかは別として心意気は好きである。

ステファン・バンセル以下、役員のほとんどが自社株を売ったとの話はあるが、利益確定の為の売りならおかしな話ではない。当然全部売ったわけではないだろう。mRNAはいわば体内のソフトウエアのようなものであらゆる病気、あらゆる個体差においても自在に書き換えが可能、将来的にはその個人に最適な個人別の癌治療薬品の処方も可能にするのがゴールである。ここから一気に10年後の完成もあり得るのではないか。いずれにしても必要なのは研究者の情熱がどこまで保てるのか、世の中の役に立つ開発をするという情熱がどこまで途切れないかが重要だろう。まさにモデルナは未来を作っているのではないかとさえ思えてくる。投資先としては確実に遅く、投資家からすると全く魅力は無いのかも知れない。しかし素人目線が大化けする事もあり即ち遅くはないのかも知れない。だが今回のワクチンリスクが将来的に実は起こってしまい大きく会社が傾くこともゼロではないと頭に入れつつ投資するのは欲を捨てきった上で一考の価値はある。未来は誰にも解らないが夢はある。また同じような未来を変える発明を様々な企業が世界中で現在進行させているのも見逃せない。科学の世界は実に面白い。

ちなみにモデルナ社は過去一度も黒字化したことは無い。去年ですらそうである。それで19兆円もの資金調達をしているのだから凄いとしか言いようがない。恐ろしい世界だが未来は誰にも分らない。今後を見届けるのがとても興味深い。

 

おしまい

 

 

投資のおはなし その1

現在、僕の最も好きな人物の一人(スピーカーの1人)、細川バレンタインさんがYouTubeで「お金の教育をしない日本。もう、自分で学ぶしかない!」という動画をあげてまして、視聴者である親御さんからの質問で「子供のうちに読ませたい本は何ですか?」というものがあり、ロバートキヨサキさんの「金持ち父さん貧乏父さん」と答えてました。YouTubeタイトルはまさにその通りだと思います。世界を見渡せばお金の教育を学校でも家庭でもしない日本は特殊で外国では小さい頃から投資について学ばせています。

日本ではお金よりも大事なものがあるという観念が大きいと思われます。例えば友情であったり、他人への配慮だったり、倫理観、家族観、正義感などがそうだと思います。武士は食わねど高楊枝みたいな。そんな主に江戸時代に作られた文化(朱子学から来ているのではないかと僕は考えています)が大きく影響していると思います。これは社会的には平和な社会を実現するうえで重要なパーツであるとも思いますが経済的には競争にブレーキをかける枷にもなっているのではないでしょうか。それが良いか悪いかは別問題ですが。

僕は当たり前ですがお金が一番大切なものではないが、必要ではあると思っています。あるに越したことは無いが「生かしているか」、使い道が最も重要だと思います。ということで、以前にも書きましたがもう一度基本を整理しておきます。お金の使い道は3つしかありません。

1・物を買うか 2・貯めるか 3・お金を使って増やすか(投資するか)です。

長くなるのでここでは3の投資について書いてみたいと思います。日本ではご高齢の方なんかは特に「博打で稼いだ金」という認識で嫌われてます。うちの母親なんか特に毛嫌いしています(笑)。特に「汗水流して稼いだお金」ではないというのが最も否定されがちですし、確かに減るリスクがあります。しかし長期で見ればリスクは伴いますが貯金より増やせる可能性が圧倒的に高いというのが投資です。そもそもですが、「汗水は垂らさないが、世界の動き、政治、経済、金融、社会、医学の進化、生活の変化、教育など挙げればきりがない程に物事を知っていなければならない」という条件をクリアしなければ投資は止めておいた方が無難でしょう。実際にこれらが解らないから手を出さないのだという方をたくさん知っています。

少し話が逸れましたが短期は駄目でここでいう長期というのは20年以上としておきます。準備期間に20年と考えて下さい。気が遠くなりそうですがこれ以外に手はないんだから仕方がない、と考えて下さい。先ほど言った条件も20年経ったらクリアできていると考えて下さい(笑)。なので今すぐ初めてOK。ちなみに株で損をしたという話の99%は短期的な話なのではっきり言って無視でOKです。

さて、その方法ですがここからはより簡潔に書きます。毎月、ある一定の金額を決まった日に好きな企業の株(20年後も存続していて大きくなっていそうな企業)を3種類(3企業)買うです。ここで重要なのはある一定の金額、この金額は生活に必要でないお金に限ります。なので毎月定期預金などされていてもそれは必要と見なします。ということは、何がしかの無駄を省くかしないと捻出されませんがそれも仕方がありません。無理だと思われるかもしれませんが見直せば月間収入の1割程度なら何とかなると思います。株価が高い時も安い時も目をつぶって毎月の同じ日に一定額を買う、これを価格平均法、またはドルコスト平均法と呼びます。ここで重要なのが価格変動に一喜一憂しない、つまり相場を見ない、無視する、死んだふりをするということです。理由は省きますがこれらを注視することは生活にとって全く無駄な行為、逆に害になりかねません。これを20年間続けるとやっと土俵が出来上がります。ちなみに20年経たなくても現金化が必要な時が出てくるでしょうがその時は売ってOKです。急な事情でお金が必要な時に使う、その為にやってるんですから。そう考えると個人的には定額預金なんか全部投資に回してもなんの問題もないと思いますけどね。

今回、投資その1では準備期間の土台作り「ドルコスト平均法」について書きました。個人だけでなく零細中小企業でも対応できますのでチャレンジしてみてはと思います。次回は20年後のお話。お~い、俺の娘~、読んでるか~?とここで親子の会話を試みる今日この頃はなんだか情けないと思うぞ。やはり大事なものはお金ではない、である。

 

つづく

 

ついに解禁、お金の事情!?

2020年はせっかく久しぶりに国中で盛り上がるはずだったオリンピックも中止になり何だかなあという雰囲気で年末を迎えてます。確かに生きてきた中でここまで世界が揺らいだ年は初めてで(実際100年ぶりに景気が最悪だった)振り返ってみると、政治家もメディアも政治的にどう発言すれば収まりがいいか、視聴率が取れるか、野党はどこを突っ込めば総理や自民党を引きずりおろせるか、政権交代に有利になるか、メディアは無自覚に無責任なコロナ対策批判が出来るかなど、日本医師会はまあ省略して、自分の事(有利になる事)ばっかり考えやがって(国民のことなどどうでもよくて)本質と違った議論をしていてどんどん論点がずれていき、実質的な議論がなされることなく1年が終わってしまった感じで「この国は本当に頭の良い人たちが動かしてくれよ」と思う1年でした。しかし世界でコロナに対してうまく立ち回ったランキングではニュージーランドに続いて世界第2位という結果はひとえに個人個人の日々の努力の賜物としか思えません。国民の潜在能力が高いのは間違いないのに人を動かすべき人達がどうしようもないのは直ちに「何とかしてくれよ本当にもう!!」って感じです。

さて、話は変わって今回はお金の話をしたいと思います。え、どうやったら儲かるかですって?そんな大それたことは言えません。ちょっとした家庭のお金の事情について諸外国との違いをお話ししたいと思います。ただし言いたいのは人生の成功はお金を得た時ではないという事、お金はただのお金です。あるに越したことは無いが無くても幸せでいられるはずです。逆に言うと幸せはお金のあるなしではない。ここ大きなポイントで見誤るといい年してみっともないただのバカになります(笑)。

車を買うときに最近では残価据え置き型クレジットが主流になってきています。これは買い物は現金派という方には金利(余計な支払い)が発生しますから受け入れ難い代物と思います。しかし僕は仮に1000万円現金があっても300万円の車ならクレジットをお勧めしています。何かでかいアクシデントが起きた時に700万持ってるよりも1000万持ってる方が有利だという理由と、やっぱり気持ちの余裕が1000万手元に置いてる方があります。これが実際に毎日の生活に知らず知らずのうちに大きく影響を与えると考えてます。

それだけではしっくりこないという方にはこのような計算をお勧めしています。300万をローンで車を手に入れた上で、300万円の現金が残る訳です。これを投資する。前にも書きましたがどんな世界的な経済学者に言わせてもお金の使い道は世界で3つしかありません。使うか、貯めるか、投資するか(お金を使ってお金を増やすか)の3つです。

例えばですね、仮にHという企業の株を買います。このHという株は100株単位でしか買えません。そして1株まあ3000円ですから30万円からしか買えない訳ですね(だいたいお察しの方はこのHという企業の名前が解ったと思います笑)。300万円なら1000株買えます。で、株にもいろいろありますがたいていの日本株は配当金なるものが貰えます。このHという企業は今年度の1株当たりの配当金が88円ですから、それに1000を掛けて88000円貰える訳です。これを5年持ち続ければ88000×5で44万円貰えます。どうでしょう?これが車に払うローン金利を上回れば儲けになるので無金利で車が分割で買えてさらにお小遣いが付いてくるという、低金利時代ならではのなせる技が達成されます。これでローンは悪ではないと証明されたと思って頂いていいと思うのですがいかがでしょうか。

そんなもん1000万円持ってる奴にしか通用せんやろ!こっちは日々の生活に必死なんじゃ!という方には価格平均法(ドルコスト平均法)を使えば解決します。これアメリカの主婦とか普通の人が普通にやっていて実は小学校から投資について教えています。ここがアメリカとの差、資産形成というジャンルで大きな差がある訳ですが日本ではそのジャンルは無いと言ってもいいくらい世の中に浸透していません。BSテレ東などのCMで〇ェルスナビの社長が言ってるのは半分ほんとで半分嘘!?とも言えます。しかし、あくまでこれはいかに儲けるかという話ではなく、資産形成についての国別意識の違いを話しているだけなので誤解のなきようお願いします。

と、ここまで書いて時間が無くなってきました。今年一番楽しみにしていたボクシングの試合、井岡一翔VS田中恒成の時間なのでここまでに致したいと思います。一番の懸念材料、そうはいっても株は下がるでしょ、資産が無くなることもあるじゃないかという方もおられると思いますが、その話はまた来年。え~、決して証券会社や財務省のまわし者ではありません(笑)。次回はより詳しく解説します(たぶん)。

皆様、今年も本当にお世話になりました。来年もよろしくお願い致します。よいお年を。

 

おしまい