人道支援と危機管理、各国の意識の違い。

 小池東京都知事が備蓄している東京都の防護服10万着を中国へ提供。兵庫県の井戸知事はマスク100万枚を中国に提供するという。今後のパンデミックへの備えは十分なのだろうか。余計な不安を煽るのは絶対にしてはいけないが、起こらないとは言い切れないんじゃないか。危機管理とはそういうものだ。

 兵庫県下の公立豊岡病院ではマスク不足で病院機能低下の危機、インフルエンザ処置以外はマスクを使わない等の対策が取られているという情報もあるがこれの真偽は不明ではある。だが兵庫県民のマスク入手が困難になっているのはドラッグストアの状況を見て事実である。また各県知事が中国にマスクを送るのがトレンドになっているらしい。

 1にこの方々の危機管理は大丈夫なのかという事。人道支援を否定する気はないがまずは自国民や県民の将来の危機管理が優先するのが常識的だと思うのだが、この方々はパフォーマンスの方が優先するのだから理解に苦しむ。送りたいなら税金ではなく自腹で、資産がなければ自分の家を売った金で送ればいいだけの話だ。小池都知事も2期目も続けたいならこちらの方が話題になって再選に効果的だろう。

 2にこのような対応を受けても中国という国は尖閣にいつも以上に船を入れていて、さらにはこのタイミングで軍用機まで飛ばしてきている。マスクの見返り、お礼がこれである。ここから見えることは中国はどれだけ経済が疲弊し、国が弱体化しようとも尖閣諸島と沖縄は死んでも獲るぞという意思表示だと考えるのが国際関係論上普通。おまけに愚かにもこのタイミングで台湾への領空侵犯までしでかしている。これが日本人では計り知れない国際政治の在り方であり、中国という国はそういう国という事だ注1

 日本の政治家の考えている事と中国の政治家の考えている事の温度差はこれだけ違うのだというのを象徴する適切な例だと言える。その上で中国共産党はほくそ笑んでいるはずだ。

 僕が政策を作るなら5月末までとか時期を設定して中国からの直接入国を禁止するとともに、どさくさに紛れて尖閣諸島付近(領海内)への船での航行も禁止する。他国への援助や人道主義は自国民の健康と人命の確保に劣るのは世界の常識である。

 

注1 ・・・ 新型コロナウイルス蔓延の初期段階に武漢では警告をSNSで発した医療関係者8人が拘束されている。デマを流すなという理由だ。大した国である。一方で韓国も日本への渡航の制限が検討されている。お好きにどうぞと右派は言いたいだろうがこちらは正当な判断だと思われる。韓国の感染者の実態は発表より深刻かもしれないとだけ言及しておく。

 

おしまい