どちらかというと僕は社員旅行は行きたくない派だ。と、自慢げに言うのもおかしいが場所によってはぜひ連れてって下さい派である。LAで大谷翔平ツアーとかなら喜んで行きたい。しかしZ世代なんかはLAですら行きたくない、休日くらい自由にさせて欲しいと思ってるんじゃないかと感じるのは僕だけだろうか。
先日、社員旅行の代わりに自由に取れる休日を3日増やし食事会を開きました。決して僕が社員旅行が嫌いでそうなった訳ではありません。女性スタッフが何日も家を空けるのはやはり厳しいというニーズによるものです。場所は京都のミシュラン三ッ星のひとつ菊乃井さん本店。はっきり言って自分のお金で行こうとはなかなか思えないお店であるし、下手すると一生ご縁がないお店かも知れないですし体験学習としていい経験、教材と言っては失礼ですが学習になるかなと思い決めました。大人の社会見学です。
料理といえば例えば家で作る肉じゃがなんかけっこう美味しい。里芋の皮をガッガッと剥いて醤油と砂糖で煮るだけでかなり美味い。料理屋で里芋というと丁寧に八角形に剥いて上等な鰹やら昆布やらで煮る。旨いかというとこれに限れば家のが旨いと思うんです。ただし器は違う。畳も違う。床の間の生け花、窓から見える景色、女中さんのサービス、心遣い、これらを総合しての一品が料理屋の里芋煮であると。味は3割、残り7割は雰囲気というか空気だというのは僕の意見ではなく菊乃井の大将、村田さんの最新刊に書かれてました。なるほどなと。これ、車でもそうだと思います。違う店でも同じもの売ってますが雰囲気は全然違いますからね。常に僕らは周りの何ものからでも学習し向上していかねばならないと考えています。それが「非常識な」と思われようが結果が正しければ問題なしと考えています。その上で企画している事は山ほどありますがボチボチ出していこうかなと思いますのでご期待下さい。
ところで菊乃井本店さん。タクシーで行ったのですが繁華街から抜ける道中も風情が変わり情緒というかすでに空気の重みが異なりました。建物全体にしても他の三ッ星と一線を引く風格。正直、ビビります。通された部屋には尾形光琳の硯箱が普通に飾ってあります。まさに圧倒の存在感、歴史の重み。まさに非日常の世界。
行先を勝手に良かれと思って決めたのは僕ですが、結果みんなが良かったと思ってくれたかどうかが重要です。目的は連れていくことじゃなくて参加して良かったと思ってくれる事ですから。そういう意味では普段唐揚げに生中が最高と思ってる人に合うかも含めて考えさせらる、僕自身のいい経験になりました。皆さんも一生に何度も行けるお店ではないけれども人生において重要なイベントなんかには利用されるのがいいと思います。
おしまい
ほんまに「おいしい」って何やろ? 村田吉弘著 集英社

